音楽療法

Music Therapy

お子さん


●“お子さん”と一口で言っても、0歳から18歳未満までと年齢の幅が広く、また、心身の発達に問題がなく健康なお子さん、発達障がいや知的障がいのあるお子さん、身体障がいのあるお子さん、精神症状のあるお子さん、医療的ケアが必要なお子さんなど、様々なお子さんがいらっしゃいます。
心の彩りMusicTherapyでは、それぞれのお子さんに合わせて、音楽療法の活動全体で心や体の発達、社会性、自己表現などを促していきながら、お一人お一人のお子さんにとって“心が動くものは何かという視点“を大切にして、それを音楽療法の活動の中で生かしていくような働きかけを行っていきます。

“あそび”の要素も取り入れながら、様々な道具(トランポリン、ボール、布、リボン、フープなど)や教具や絵本なども活用しながらの活動を行っていきます。

●色や形が興味をひく楽器、触れた感覚が面白い楽器、きれいな音や面白い音が出る楽器など、様々な楽器を用いて、お子さんの感覚器官や心に働きかけていきます。

●保護者様も同伴のセッションでは、お子さんと保護者の方が一緒に楽しみながら、コミュニケーションを育めるような働きかけを行っていきます。

【活動別の効果の例】
※身体障がいや精神症状のあるお子さんに関しましては、別途該当される領域の項目の方もあわせてご覧ください。
活動の種類効果の例
歌う活動・声を使っての自己表現、感情表現の促進
・言葉を覚えたり認知したりすることを促進
・構音障がいなどのあるお子さんの発音や発声の改善
・共に歌うことで一体感を引き出す
・手遊び歌などで手指の巧緻性やコミュニケーションの促進
楽器活動・エネルギーの発散を促す
・感覚統合を促して心身の発達を促す
・集中力や注意力の向上
・身体の使い方の向上 ・身体と感情のコントロールの促進
・集団スキル(順番を待つ、合わせるなど)や社会性の促進
身体活動・身体のバランスやコントロールの向上
・動きの模倣で体の各部位の認知や発達を促す
・自由な動きで創造性を育む・集団でのダンスで一体感を促す
音楽や歌を聴く・豊かな心を育む
・言語発達を促す ・歌いかけを聴かせて脳や心の発達を促す
即興演奏・声や楽器を用いて主体的な自己表現の促進
・体の動きや反応を引き出す
・コミュニケーションの促進
歌作り・言葉を通しての感情表現を促す
・自己肯定感や自信を育む
・言語能力の発達を促す


カテゴリ:お子さん

高齢者の方


●心の彩りMusicTherapyでは、高齢者の方の心身機能・認知機能の低下予防や維持をはかりながら、心や体の活性化、心の安定、日常生活における意欲、QOLの向上などに無理なくつながっていくように、楽しみながらできる多彩な活動を組み込んで働きかけを行っていきます。

●季節の行事のもの、季節の花、昔の写真など、五感にも働きかけながらのアプローチで、豊かな気持ちの喚起につなげていきます。

●集団での音楽療法の場では、高齢者の方同士、人とつながることの出来るコミュニティーの場として機能できるように、お一人お一人の意欲的な参加につながるようなプログラム作成やアプローチを行っていきます。

●音楽療法の活動の中で、高齢者の方お一人お一人が、自分自身のこれまでの人生経験を“再価値化”できるような働きかけを大切にしていきます。

●各施設様や地域コミュニティーでの、「音楽療法を使った認知症予防、介護・フレイル予防などの活動」にも力を入れていきます。

【活動別の効果の例】
活動の種類主な効果の例
歌う活動・呼吸機能や心肺機能の低下予防と維持
・口腔機能、嚥下機能の向上
・歌からの昔の記憶の喚起や回想の促しで、脳の機能や心の活性化、豊かな気持ちの喚起
・歌についての思い出の共有によるコミュニケーションの促し など
楽器活動・心や体の活性化
・枠組みの中で演奏することで、認知機能低下予防 など
身体活動・心や体の活性化
・筋力低下の予防
・転倒や骨折の予防 など
音楽を聴く・リラクゼーション、快眠の促しなど
即興演奏・創造性や自己表現を促すことで、脳の機能や心の活性化
など
歌作り(替え歌作りも含む)・感情の表出、自己表現の促し
・言語機能や記銘力の保持
二重課題の活動・二重課題の活動(歌いながらの楽器活動、歌いながら手を動かす活動、楽器活動を行いながらの認知課題など)で、認知機能の低下予防や脳機能の活性化


カテゴリ:高齢者の方

歌作りの効果


音楽療法では、対象者の方の歌作りを、音楽療法士がサポートしながら進めていきます。
対象者の方に歌詞の創作をしてもらって音楽療法士が音楽の創作をすることもありますし、対象者の方に歌詞の創作も音楽の創作も両方してもらうこともあります。
また、音楽療法士と個人の対象者の方一対一で進めていく場合と、音楽療法士と対象者の方のグループで進めていく場合の両方があります。
そして、創作した歌詞や音楽は、音楽療法士が記譜や録音をして、再現できるように残していきます。

心の面

音楽療法士のサポートを受けながら、対象者の方自らで歌詞や音楽を創っていく中で、感情表出や自己表現が促されたり、自己肯定感や意欲を高めることができたり、精神症状が和らいだりする効果があります。

また、創作していく過程自体が、創造性を高めたりする効果もあります。

社会面グループ内で一つの歌を作ったり、対象者の方それぞれが作った歌を発表し合ったりする過程をとおして、グループ内での感情や経験の共有につなげていったり、人前での不安をなくし、自信をもつことにつなげる効果などがあります。

認知面歌作りの過程が、言語機能や見当識、記銘力などを高める効果もあります。


カテゴリ:歌作りの効果

即興演奏の効果


即興演奏でも楽器活動と同じように、様々な楽器を使います。
楽器は、音楽療法士が意図的に選ぶことも、対象者の方にたくさんの楽器からそのときの気持ちのままに選んでもらうことも、両方あります
また、声を使う即興や、音楽療法士の即興演奏で対象者の方の体の動きや反応を引き出すこともあります。
音楽療法士と一対一で行う即興演奏では、音楽療法士が対象者の方の演奏の仕方、気持ち、体の動きなどに同調させた演奏の仕方をしたり、時には、変化を促す演奏の仕方をしたりしながら、対象者の方に寄り添っていきます。
グループでの即興演奏では、対象者の方同士の楽器を使ったコミュニケーションを促していきます。

心の面

目の前の楽器を自分の気持ちのままに演奏していく中で、自分の演奏の仕方や、音楽療法士や他の対象者の方と共に即興演奏する中で感じた気持ちの変化などから、自己洞察を促したり、自己への新たな気づきや内面の変化を得たりする効果があります。

また、主体的・意欲的な自己表現を促したりする効果もあります。

身体面対象者の方の状態に添って、音楽療法士が即興演奏をしていくことで、対象者の方の体の動きや身体反応を引き出していく効果などがあります。
社会面楽器を介して、言葉を使わない非言語的なコミュニケーションを促す効果もあります。
認知面即興演奏をとおして、体の動き・周囲の環境・他者などへの認知を促す効果などもあります。


カテゴリ:即興演奏の効果

音楽を聴くこと(音楽鑑賞)の効果


心の面

リラックスできる音楽を聴くことで、心をほぐして気持ちを落ち着かせたり、精神症状を和らげたりする効果や、対象者の方自身で選択した音楽を聴いてもらうことで、自発性や意欲を高めたりする効果などもあります。

また、選曲によっては、聴くことで、心の浄化を促せたり、対象者の方の生きる活力につながることもあります。

さらに、音楽を聴きながら、自分の体の感覚、心に浮かんだ考えや感情、聴いている音楽の三つに意識を向けて、あるがまま感じたものを受容し、表現して分かち合うことで、「今、ここ」を生きることにつなげていく効果などもあります。

身体面

リラックスできる音楽を聴くことで、体の緊張をほぐしたり、体の痛みを緩和したり、呼吸や自律神経を整えたりする効果があります。

また、睡眠前に個別に穏やかな音楽を聴いてもらうことで、睡眠の質を高め快眠を促す効果などもあります。

社会面他の人が選んだ音楽を聴いてもらうことで、他者への意識や興味を高める効果もあります。
認知面

音楽を感覚的な刺激として聴いてもらうことで、例えば、意識障害の方の覚醒や認知反応を促したり、重度の認知症の方の認知機能や注意機能の維持を促したりする効果などがあります。

また、聴知覚機能の向上をはかったり、認知機能を活性化したりする効果などもあります。



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