音楽療法

Music Therapy

歌作りの効果


音楽療法では、対象者の方の歌作りを、音楽療法士がサポートしながら進めていきます。
対象者の方に歌詞の創作をしてもらって音楽療法士が音楽の創作をすることもありますし、対象者の方に歌詞の創作も音楽の創作も両方してもらうこともあります。
また、音楽療法士と個人の対象者の方一対一で進めていく場合と、音楽療法士と対象者の方のグループで進めていく場合の両方があります。
そして、創作した歌詞や音楽は、音楽療法士が記譜や録音をして、再現できるように残していきます。

心の面

音楽療法士のサポートを受けながら、対象者の方自らで歌詞や音楽を創っていく中で、感情表出や自己表現が促されたり、自己肯定感や意欲を高めることができたり、精神症状が和らいだりする効果があります。

また、創作していく過程自体が、創造性を高めたりする効果もあります。

社会面グループ内で一つの歌を作ったり、対象者の方それぞれが作った歌を発表し合ったりする過程をとおして、グループ内での感情や経験の共有につなげていったり、人前での不安をなくし、自信をもつことにつなげる効果などがあります。

認知面歌作りの過程が、言語機能や見当識、記銘力などを高める効果もあります。


カテゴリ:歌作りの効果

即興演奏の効果


即興演奏でも楽器活動と同じように、様々な楽器を使います。
楽器は、音楽療法士が意図的に選ぶことも、対象者の方にたくさんの楽器からそのときの気持ちのままに選んでもらうことも、両方あります
また、声を使う即興や、音楽療法士の即興演奏で対象者の方の体の動きや反応を引き出すこともあります。
音楽療法士と一対一で行う即興演奏では、音楽療法士が対象者の方の演奏の仕方、気持ち、体の動きなどに同調させた演奏の仕方をしたり、時には、変化を促す演奏の仕方をしたりしながら、対象者の方に寄り添っていきます。
グループでの即興演奏では、対象者の方同士の楽器を使ったコミュニケーションを促していきます。

心の面

目の前の楽器を自分の気持ちのままに演奏していく中で、自分の演奏の仕方や、音楽療法士や他の対象者の方と共に即興演奏する中で感じた気持ちの変化などから、自己洞察を促したり、自己への新たな気づきや内面の変化を得たりする効果があります。

また、主体的・意欲的な自己表現を促したりする効果もあります。

身体面対象者の方の状態に添って、音楽療法士が即興演奏をしていくことで、対象者の方の体の動きや身体反応を引き出していく効果などがあります。
社会面楽器を介して、言葉を使わない非言語的なコミュニケーションを促す効果もあります。
認知面即興演奏をとおして、体の動き・周囲の環境・他者などへの認知を促す効果などもあります。


カテゴリ:即興演奏の効果

音楽を聴くこと(音楽鑑賞)の効果


心の面

リラックスできる音楽を聴くことで、心をほぐして気持ちを落ち着かせたり、精神症状を和らげたりする効果や、対象者の方自身で選択した音楽を聴いてもらうことで、自発性や意欲を高めたりする効果などもあります。

また、選曲によっては、聴くことで、心の浄化を促せたり、対象者の方の生きる活力につながることもあります。

さらに、音楽を聴きながら、自分の体の感覚、心に浮かんだ考えや感情、聴いている音楽の三つに意識を向けて、あるがまま感じたものを受容し、表現して分かち合うことで、「今、ここ」を生きることにつなげていく効果などもあります。

身体面

リラックスできる音楽を聴くことで、体の緊張をほぐしたり、体の痛みを緩和したり、呼吸や自律神経を整えたりする効果があります。

また、睡眠前に個別に穏やかな音楽を聴いてもらうことで、睡眠の質を高め快眠を促す効果などもあります。

社会面他の人が選んだ音楽を聴いてもらうことで、他者への意識や興味を高める効果もあります。
認知面

音楽を感覚的な刺激として聴いてもらうことで、例えば、意識障害の方の覚醒や認知反応を促したり、重度の認知症の方の認知機能や注意機能の維持を促したりする効果などがあります。

また、聴知覚機能の向上をはかったり、認知機能を活性化したりする効果などもあります。



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